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土だけでは、産地は生まれない。世界の陶磁器産地をつくったもの。

9月24日
読了時間: 2分

陶磁器は、世界各地でつくられてきました。

しかし、すべての土地が「産地」になったわけではありません。中国の景徳鎮、日本の美濃や有田、イギリスのストーク・オン・トレント、トルコのイズニク。特定の場所に窯や職人が集まり、その土地の名が陶磁器と結びついていった地域があります。


なぜ、そこに窯が集まったのでしょうか。

今回、世界20か国、45の代表的な陶磁器産地を地図に置いてみました。ここに挙げたものが世界のすべてではありませんが、産地の広がりを見ることができます。




産地をつくるのは、土だけではない

陶磁器には、粘土や陶石、長石、珪石などの原料が必要です。さらに、窯を焚く燃料、原料の精製に使う水も欠かせません。けれど、自然条件がそろうだけでは産地にはなりません。土を器に変える技術を持つ人と、つくられた器を求める人が必要です。


有田の磁器生産には、朝鮮半島から伝わった窯業技術が関わりました。景徳鎮では宮廷用の磁器が求められ、イズニクでは宮廷や宗教建築が器とタイルの生産を支えました。技術は人とともに移動し、需要は産地の規模や製品を変えてきました。



運ぶ道と、仕事の集積

陶磁器は重く、割れやすい製品です。原料を運び、完成した器を市場へ届けるためには、河川、港、運河、鉄道などの交通が重要でした。有田の磁器は伊万里の港から国内外へ運ばれ、ストーク・オン・トレントでは運河と鉄道が工業的な生産を支えました。

産地には、窯元だけでなく、原料、型、絵付け、焼成、検品、販売、輸送など、多くの仕事が集まります。

産地とは、窯が多い場所というより、ものづくりに必要な技術と仕事が結びついた場所だといえます。



変わりながら続く

産地は、一度できれば、そのまま続くものではありません。宮廷や寺院からの注文が減り、輸出市場や生活様式が変われば、求められる器も変わります。日常食器の量産へ進んだ産地、タイルや工業用セラミックスへ生産を広げた産地、工芸や観光と結びついた産地もあります。


世界の陶磁器産地に共通しているのは、同じものを変わらずつくり続けてきたことではありません。

原料、技術、人、交通、市場。その関係を時代に合わせて変えながら、産地は続いてきました。


次回からは国や地域ごとに、それぞれの産地の成り立ちと変化を見ていきます。



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