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2016/ | 個々の技を、産地の力へ。

8月29日
読了時間: 2分

有田焼「2016/」が始めた次の100年


日本で初めて磁器が焼かれたとされる1616年から、400年。2016年、有田焼は大きな節目を迎えました。

そこで問われたのは、歴史をどのように祝うかだけではありません。職人の減少や技術継承などの課題を抱えるなか、有田焼を次の100年へどうつなぐか。その問いから生まれたのが「2016/」です。



有田では長い間、それぞれの窯元が専門技術を磨き、商社が独自に販路を築いてきました。「2016/」は、その個々の力を結び、新しい有田焼を世界へ届けるために始まったプロジェクトです。

背景には、有田とオランダの歴史的なつながりがあります。江戸時代、有田でつくられた磁器はオランダ東インド会社を通じてヨーロッパへ運ばれました。その関係を現代に結び直し、佐賀県とオランダの協働によってプロジェクトが始動しました。


クリエイティブディレクションを担ったのは、柳原照弘と、オランダのデザインデュオ、ショルテン&バーイングス。世界各地の16組のデザイナーと、有田の10の窯元、6つの商社が参加しました。

デザイナーは有田を訪れ、職人と対話しながら、原料、成形、釉薬、絵付け、焼成の可能性を探りました。従来の有田焼にはなかった形や表現に向き合うなかで、「有田焼らしい形」ではなく、「有田の技術だから何ができるのか」が見つめ直されていきました。



そうして生まれたのは、和食器や洋食器という区分を越え、世界の料理や空間に寄り添う現代の磁器です。日々のサービスに使いやすい器から、コースの印象を決める存在感のある器まで、料理人は料理や用途に応じて選ぶことができます。



さらに、400周年事業の終了後も生産、販売、開発を続けるため、有田の8つの窯元と商社が「2016株式会社」を設立しました。目指したのは、一つのブランドの成功だけでなく、産地に新しい仕事と継続的なものづくりの仕組みを残すことでした。


料理人が器を選び、そこに料理を盛り、ゲストが味わう。その一皿が窯元の次の仕事を生み、職人の技術を未来へつなぎます。


個々に磨かれてきた技を、産地全体の力へ。「2016/」には、有田焼を生きた産業として次の100年へ渡していく意思が込められています。


Photo by Sebastian Stadler



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